養殖中のカキやカゴには様々な生物が付着します。その中でもアズマニシキガイは非常に美味しい貝のひとつです。北方ではアカザラガイと呼ばれ養殖されているとのことです。
イタヤガイ科に属し,イタヤガイ,ホタテガイ,ヒオウギガイの仲間です。ホタテガイやイタヤガイと異なり,ムラサキイガイのような足糸によって固着して生活します。しかし,足糸を引き剥がしたアズマニシキガイの稚貝は,ホタテガイと同様に二枚の貝殻を開閉し水流を起こし泳いで逃避する動きをします。
広島湾で養殖中のカキに付着するアズマニシキガイは,大量に付着してカキに被害を及ぼすといった事例はなく,しばしば見かける程度です。また,アズマニシキガイ稚貝の付着からカキが収穫されるまで長くても1年半程度なので,最大でも5cm程度のサイズしか目にすることはないと思います。
上の写真は,昨年の夏から秋にかけてカゴに付着していた1〜2cmのアズマニシキガイ稚貝をカゴに入れておいた生後約6ヶ月の稚貝です。
次の写真は,おそらく2018年産(生後約2年半)のアズマニシキガイです。あまり手入れせずかごに入れて放置していましたが,これくらいになると濃厚な味のミニホタテガイとして美味しくいただけます。
養殖種として面白そうですが,まとまった数の付着稚貝が採れないので,数が揃わないのが最大の問題です。天然種苗をうまく確保する方法があるかもしれませんので色々試してみたいと思います。
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