平田水産のマガキシングルシード採苗-3(天然採苗-稚貝育成)

海域での採苗

この前の記事で紹介した通り使用済みのPETボトル片を使ったコレクター(以後PETコレクター)を,メッシュの収集袋に入れて海に垂下します。写真では1袋にPETボトル片にして約200枚分のPETコレクターが入っています。

ホタテ殻の代わりにPETコレクターを使ったマガキ天然採苗

垂下するタイミングは通常のホタテ殻での採苗と同じです。ただし,引き上げのタイミングは,それほど重要ではありません。ホタテ殻の場合は,付着が多すぎるとその後の脱落の原因となり収穫量に影響してくるのですが,いずれ剥離するのでそこまで神経質になる必要はありません。

このPETコレクターを製作後最初に使用する時には,前もって海に漬けておいて表面を汚し,いわゆるバイオフィルムを形成させておく必要があります。前年に使用したものはそのまま使っても問題ないようです。どちらにしても比較のため同時に垂下したホタテ殻コレクターより付着の立ち上がりは少し遅れますが,ホタテ殻への付着があれば必ず付着するようです。

抑制棚での稚貝育成

PETコレクターに付着したマガキ稚貝を干潟で抑制管理する

採苗の終了したPETコレクターは,メッシュカゴに入れ干潟の抑制棚に移動します。

ここで,カゴのメッシュから抜けないサイズ,約1cm程度に育つまで中間育成します。干潟で管理することで,稚貝の成長が停滞し数が減少しますが,マガキ以外の付着生物や外的生物の影響を最小限にでき,殻の厚い干出に強い稚貝を得ることができます。また,状況が安定しているので剥離作業などの進行を調整することができます。

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